調査データの引用で数字がずれる原因と、原文との照合手順

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ブログ記事で調査データを使うと、引用元の数字や言葉と、自分が書いた数字や言葉がずれていることがあります。T-Labは2026年10月3日、自サイトの記事で引用していた調査の数値を、調査元のページを開いて照合しました。この記事は、そのとき確認した内容と、原文と照合する手順の記録です。

この記事でわかること

  • マイナビとパーソル総合研究所の調査ページを、原文と照合して確認できたこと
  • 数字や表現がずれる主な原因
  • 引用する前に、原文と照合する手順

この記事で確認したこと

確認したのは、次の2つの調査ページです。

  • マイナビキャリアリサーチLab「マイナビ 2027年卒 大学生キャリア意向調査4月<就活生のAI利用について>」(調査期間は2026年4月25日から4月30日、有効回答数は1,258名)
  • パーソル総合研究所「第四回 副業の実態・意識に関する定量調査」(調査実施は2025年8月1日から8月7日)

取得と照合はAIツール(Claude)に依頼し、結果を記録しました。確認したのは各ページの本文です。ダウンロードできる報告書(PDF)の全文や、図表の元データまでは確認していません。

原文と照合してわかったこと

マイナビの調査(就活生のAI利用)

項目 ページの記載 確認結果
AIの利用経験 就職活動でAIを利用したことのある学生は84.9% 記載どおり
AIの利用方法 「ESの推敲(71.8%)」が最も多く、「面接対策(38.4%)」としての利用が大幅に増えていることがわかる 記載どおり
AI面接 企業からAI面接の提示を受けた際に受験意欲が下がる学生は51.1% 記載どおり
「苦手意識」という言葉 ページ本文に見当たらない 自サイトの記事の表現と食い違い

数値は、ページに書かれたとおりでした。一方、自サイトの記事で使っていた「苦手意識」という言葉は、このページの本文にありませんでした。記事の表現は、調査の設問に沿った言い方に直しました。

AI面接については、同じページに「AI面接を受けたことのある学生は28.2%」とも書かれています。51.1%は、企業からAI面接の提示を受けた際に受験意欲が下がる学生の割合で、どの層を分母にした割合かは、原文の図表で確認する必要があります。

パーソル総合研究所の調査(副業)

項目 ページの記載 確認結果
副業容認率 企業が社員の副業を認める割合「副業容認率」は64.3%(2023年調査から+3.4pt) 記載どおり
「過去最高」の範囲 見出しは「正社員の副業実施率、企業の副業容認率・受入率が過去最高」 副業容認率も過去最高と書かれている
副業実施率 正社員が副業を行っている割合「副業実施率」は、2018年の調査開始以来、最高の11.0% 副業容認率とは別の指標

64.3%は、企業が社員の副業を認める割合です。正社員が実際に副業を行っている割合(11.0%)とは、別の指標です。副業をしている人の割合の話に、64.3%を使うことはできません。

数字や表現がずれる主な原因

上の照合から、ずれの原因は大きく三つに分けられます。

言葉が原文から離れる

数値が合っていても、言葉が原文から離れると、調査が示していない内容を示したことになります。「苦手意識」はその例で、マイナビのページには、AIの利用率、利用方法、AI面接への受験意欲などは書かれていますが、この言葉はありません。

指標を取り違える

同じ調査でも、数値ごとに何の割合かが違います。副業の調査では、企業が副業を認める割合と、正社員が副業をしている割合は別の数字です。マイナビの調査でも、AIの利用経験、利用方法、AI面接への受験意欲は、それぞれ別の問いの結果です。

調査の時期と対象を書き落とす

マイナビの調査は2027年3月卒業予定の大学生・大学院生が対象で、2026年4月に実施されています。パーソル総合研究所の調査は、2025年8月に実施されています。時期や対象が違う数字を並べるときは、それぞれの実施時期と対象を添える必要があります。また、パーソル総合研究所のページには、構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計が100%とならない場合があると注記されています。

原文と照合する手順

  1. 出典のURLを開き、調査名、調査期間、対象、回答数を控える。
  2. 引用したい数値と表現を、ページの中で探す。数値だけでなく、その数値が何の割合かを示す文も、あわせて確認する。
  3. 自分の文章と原文を並べ、数値、言葉、単位を一つずつ照合する。
  4. 食い違いは記録に残し、文章を原文に合わせて直す。
  5. 解釈に迷ったら、調査元に問い合わせる。マイナビのページには「調査結果のお問い合わせ」「記事転載のお申し込み」「報道関連のお問い合わせ」の窓口があり、パーソル総合研究所のページにはお問い合わせフォームがあります。

引用のルールも確認する

パーソル総合研究所のページの「引用について」には、「本報告書の内容は、著作権法が認める引用の範囲内であれば、出所を明記の上で、ご自由に引用・転載いただいて構いません。」と書かれています。マイナビのページには、記事転載のお申し込みの窓口があります。引用や転載の条件は、調査ごとに、ページの案内で確認してください。この記事は、引用の可否について法的な判断をするものではありません。

AIに照合を頼むとき

T-Labは、取得と照合をAIツール(Claude)に依頼しました。ただし、AIの返答だけで「確認した」とはせず、出典ページの該当箇所を自分で開いて確かめることをおすすめします。

よくある質問

Q. 数値が合っていれば、言葉は言い換えてもよいですか?

言い換えると、調査が示していない内容を示すことがあります。この記事で確認した「苦手意識」が、その例です。調査の設問や見出しに使われている言葉に沿って書くほうが、食い違いを防げます。

Q. 調査ページの数値は、いつ時点のものですか?

調査ごとに実施時期が違います。この記事で確認したマイナビの調査は2026年4月25日から4月30日、パーソル総合研究所の調査は2025年8月1日から8月7日の実施と、それぞれのページに書かれています。引用するときは、実施時期も添えてください。

Q. この記事で確認できなかったことはありますか?

各ページの本文だけを確認しました。報告書(PDF)の全文、図表の元データ、数値の分母の詳細は確認していません。必要な場合は、調査元の報告書で確認してください。

確認日と出典

確認日:2026年10月3日(運営者の記録)。確認したのは、次のページの本文です。

友田 樹

この記事を書いた人

友田 樹

フリーランスSE。AI活用・プログラミング・キャリア設計について、公式サイトや一次資料の確認にもとづいて整理しています。

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